Fukagawa Chikaramochi

仕事が、
芸になった。

米俵を担いだ町の力と技が、いまも受け継がれています。

米俵を市場へ運ぶ農夫(1890年代頃・日本)/ New York Public Library/ No known copyright restrictions/深川力持の実演写真ではありません/表示上トリミング

Born around Saga

蔵の町の仕事が、
見せる力へ。

江戸の物流を支えた佐賀あたりの倉庫地帯では、米俵や酒樽を運ぶ荷役の人びとが働いていました。 日々の仕事で鍛えた力と、重い道具を安全に扱う技が、やがて人に見せる余技へ育ちます。

深川の力持は、ただ重いものを持ち上げるだけではありません。 道具との均衡、姿の美しさ、囃子との呼吸を合わせて見せる民俗芸能です。

佐賀あたり倉庫地帯で発生
1956東京都指定
現在深川力持睦会が継承

From work to heritage

力仕事から、文化財へ。

  • 江戸時代倉庫地帯だった佐賀町界隈で、米俵などを運ぶ荷役の余技として生まれます。
  • 文化・文政期さまざまな力自慢が加わり、興行として行われるほど盛んになります。
  • 戦後戦災と物流の機械化で一時中断します。
  • 1954年深川力持睦会が結成され、技が復活します。
  • 1956年東京都の無形民俗文化財に指定されます。
  • 現在祭礼や地域行事などで披露され、次の世代へ伝えられています。

Strength in ukiyo-e

ここに並ぶのは、深川力持の実演記録そのものではなく、江戸期に描かれた力自慢や 米俵の題材です。当時の人びとが「力の芸」をどう見たかを伝えます。

大童山文五郎が重い碁盤を片手で持ち上げる浮世絵。
東洲斎写楽《大童山文五郎 碁盤持ち上げ》寛政7年(1795)/ Fine Arts Museums of San Francisco/Wikimedia Commons/Public Domain
大黒天が米俵を持ち上げる葛飾北斎の摺物。
葛飾北斎《大黒 米俵を持ち上げる》文政年間(1825頃)/Wikimedia Commons/CC0
怪力で知られる近江のお兼を描いた歌川国芳の浮世絵。
歌川国芳《近江のお兼》江戸後期/The British Museum/Wikimedia Commons/Public Domain

Technique & rhythm

重さを、
美しくあしらう。

米俵、酒樽、臼、小舟、脚立、木箱。身近な仕事道具を使い、 砂村囃子に合わせて力と均衡を見せます。

  • 俵の差し分け
  • 酒樽の差し分け
  • 用具のあしらい
  • 餅つき
  • 七福神宝の入船

長唄「近江のお兼」にも力持がうたわれます。掲載画は怪力伝説の題材であり、 現在の深川力持睦会の演目を直接描いたものではありません。

Living heritage

石と人に、力の記憶が残る。

佐賀稲荷神社には、力持の担い手が奉納した力石が残ります。 富岡八幡宮境内にも「深川力持の碑」と力石があり、仕事から生まれた芸能の歴史を伝えています。

東京都指定

無形民俗文化財。保護団体は深川力持睦会です。

江東区登録

地域の民俗芸能として記録・継承されています。

佐賀町の誇り

米と荷役の町だった歴史を、身体の技で現在へつなぎます。