Story · 02

材木が、町名になった。

日本橋から深川へ、元木場から築地町へ。1701年に整備された貯木場が、深川木場町——いまの木場の原点です。

堀に浮かぶ材木——江戸期の深川木場
江戸期の深川木場(歌川広重「名所江戸百景」)

Before the name

最初にあったのは、浮かぶ原木だった。

江戸の都市づくりを支えた材木は、水路で運ばれ、堀に浮かべて蓄えられました。汽水の状態が、乾燥と虫食いを防ぐといわれます。

1641

大火と移転

寛永18年の大火後、木置場は延焼対策も含め深川(元木場)へ移りました。

1701

15名の材木問屋

深川築地町の払い下げ地を買い請け、土手と堀を整備。現在の木場公園周辺へ移転します。

1703

木場町と呼ばれる

木置場があった場所から、深川木場町(木場町)と唱えられるようになりました。

Chronology

仕事の場所が、町の名前になる。

江戸期

元木場から深川木場へ

日本橋・神田から深川へ移った木置場は、1699年に御用地となり、1701年に築地町の払い下げ地へ再移転しました。

1701

堀と土手の整備

15名の材木問屋が四方に土手を築き、縦横の堀と橋を設け、約九万坪の貯木場を造成したと伝えられます。

江戸〜明治

材木問屋と川並

紀伊国屋文左衛門、奈良屋茂左衛門など豪商の逸話が残ります。筏師(川並)が材木を操る仕事が町の風景でした。

1873

沽券地図の深川木場町

東京都公文書館の第六大区沽券地図に、深川木場町として記録されています。現丁目との対応は追加照合中です。

1973〜

新木場へ移る

木材業者とともに貯木機能が新木場へ移転しました。「木場」の地名は、深川に残ります。

1992

木場公園が開園

移転後の跡地などが整備され、都立木場公園が開園。角乗、大橋、植物園が地域の新しい顔となりました。

Boundary note

木場公園は、町のすべてではない。

木場公園は平野・三好・東陽など広い区域にまたがります。公園の歴史は木場の物語と深く結びつきますが、公園=木場町全域とは表現しません。新木場も別の町です。

1701年以前の元木場(佐賀・福住付近)も、現木場町内の史跡とは混同しません。

木場公園大橋と公園の緑
都立木場公園——町域をまたぐ広大な公園